「DPR」「DPD」「DPF」の違いとは? 〜メーカー別呼称マップで自社車両を識別〜
「DPR」「DPD」「DPF」の違いとは?
〜メーカー別呼称マップで自社車両を識別〜

1.はじめに:現場を惑わす「3つのアルファベット」
運送現場で日常的に耳にする「DPR」「DPD」「DPF」という言葉。
「うちは日野だからDPRだ」「いすゞはDPDと言うよね」といった会話はよくありますが、実はこれらが具体的にどう違うのか、正確に把握するのは難しいものです。
「自分のトラックのシステムは何と呼ぶのが正しいのか?」「呼び方が違うだけで、機能は同じなのか?」
こうした疑問を解消することは、車両の不調を未然に防ぎ、適切な維持管理を行うための第一歩です。今回は、各メーカーの呼称を整理した「マップ」とともに、これらの装置の基礎知識をわかりやすく解説します。
2.なぜ名前が違うのか?排ガス規制が生んだ「3つの名前」の正体

これら3つの言葉は、すべて「ディーゼル微粒子捕集フィルター(Diesel Particulate Filter)」という装置を指しています。
環境省や国土交通省が定める厳しい排ガス規制(ポスト新長期規制など)をクリアするため、近年のディーゼル車には、排気ガスに含まれる「すす(PM)」をキャッチし、大気中に放出しないためのフィルターが装着されています。
このフィルターに溜まった「すす」を、エンジンの熱や燃料の再噴射によって焼き切る仕組みが、現在の排ガス浄化システムの基本です。
では、なぜ呼び名が違うのでしょうか。それは、各自動車メーカーが独自の技術やシステムとして「商標(ブランド名)」を付けたためです。根本的な役割は「排ガスを綺麗にするフィルター」で共通していますが、メーカーごとに制御方法や名称にこだわりがあるのです。
3.メーカー別呼称マップ:自社の車両はどのタイプかチェック
自社の保有車両がどれに該当するか、以下のマップで確認してみましょう。
| 呼称 | 正式名称 | 主な採用メーカー | 特徴の要約 |
|---|---|---|---|
| DRP | Diesel Particulate active Reduction | 日野、トヨタ | 燃焼温度を制御し、効率よくすすを焼き切る「アクティブな還元」を強調。 |
| DPD | Diesel Particulate Defuser | いすゞ | フィルターで微粒子を「拡散・除去」する仕組みを指す。 |
| DPF | Diesel Particulate Filter | 三菱ふそう、 UDトラックス、日産 |
一般名称としての「DPF」をそのまま採用しているケースが多い。 |
※各メーカー、年式やモデルによって細かな制御(尿素SCRシステムとの組み合わせなど)は異なりますが、フィルター部分の呼び方はこのマップで概ね判別可能です。
自社の車両がどのタイプかを知っておくことで、取扱説明書を確認したり、整備担当者と打ち合わせをしたりする際のコミュニケーションがスムーズになります。
4.名称は違えど共通の悩み。性能を左右する「燃焼状態」の重要性
名称は「DPR」「DPD」「DPF」と異なりますが、運用上の悩みはどのメーカーでも共通しています。それは、「フィルターがいかに目詰まりせず、スムーズに再生(自動・手動)が行われるか」という点です。
このフィルターの詰まりを左右するのは、実はフィルター自体の性能だけではありません。
フィルターへ流れ込む「すす」の量、つまり「エンジン内での燃焼の状態」が最も重要です。
例えば、燃料を噴射するインジェクター(ノズル)に汚れが溜まってしまうと、燃料が綺麗な霧状にならず、不完全燃焼が起きます。すると、フィルターが許容できる量を超える
「すす」が発生し、DPRやDPDの警告灯が頻繁に点く原因となります。
どのシステムの車両であっても、「フィルターを洗う」だけでなく、その前段階である「綺麗な燃焼(インジェクターの状態)」を保つことが、結果としてシステム全体の寿命を延ばす鍵となります。
5.まとめ:システムの理解が、計画的なメンテナンスへの第一歩
「DPR」「DPD」「DPF」。言葉は違えど、どれもトラックが安全かつクリーンに走り続けるために欠かせない大切な装置です。まずは自社の車両がどのタイプかを知り、それぞれの特徴に合わせた管理を行うことが、2024年問題を乗り切るための「止まらない車両作り」に繋がります。
「最近、うちのDPR(またはDPD、DPF)の再生頻度が増えた気がする……」
そんな不安を感じたときは、無理に運行を続けず、一度、状態を調査することをお勧めします。
愛グリーン運輸では、メーカーを問わず、コンピューター診断機(G-SCAN)を用いて排ガスシステムの健康状態を数値化する「無料診断」を行っています。不調のサインがフィルターにあるのか、それとも燃焼系(インジェクター等)にあるのか、同じ運送会社の目線で的確にアドバイスいたします。
お電話一本で調整可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
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